プノンペン・バンコク視察備忘録

 

 

日本企業約20社の方々と視察にいって参りました。

 

まずは、プノンペン編

訪問先:JETRO, 日系会計事務所、日系コンサルファーム、日系レストラン、イオンモール(2014月6月オープン)

 

感想

急激に日本からの進出企業が増えている。昨年(2014年)は50社の日系企業の新規会社登録があった。

近年の特徴としては、従来の労働集約型の製造業(縫製など)に加えて、サービス業(レストラン、会計・法律事務所など)が増えている(JETRO談)。

実際、街にでてみると、いたるところに日本食レストランの看板(日本語)を目にする。炭火焼きの習慣があるようで、焼肉店が繁盛しているもよう。

 

首都プノンペンの人口は、現状200万人(国全体1500万人)だが、カンボジア全体をみても大きな都市はプノンペンとシェムリアップ(アンコールワット所在地)しかないので、今後プノンペンへの一極集中は加速するでしょう。現地専門家は、5年後には現在の倍の400万人になるのでは推測。

 

では、カンボジアは海外展開の候補先になるか、というと、以下の点を要検討。

撤退している企業数も相当数あると思うが、1~2年で収益を上げている企業もある(同業種でも成功・撤退の両社があるのは国内ビジネスと同様)。

展開するビジネスの顧客層、その購買力、需要を見極めて、進出のタイミング(可否も含めて)を判断するのが、何より重要なのでしょう。

 

【利点】

1.          なんと言っても、タイやベトナムの10年間を彷彿とさせる発展段階にある。経済成長が進む中、まだまだ足りていないモノ・サービスがある。

2.          日本の(最先端ではない)技術やモノが、活用できる場がある。

3.特恵関税と安い労働力

一定の条件を満たすことが前提だが、輸入時も輸出時も関税がかからない。つまり、原材料を持ち込み、現地で製造を行い、販売はカンボジア外というフレームが関税なしで可能。

但し、約2億円以上の投資が必要なので、中小企業にとってはハードルが高い。

4.資本主義の国である。ベトナムやラオスの共産圏や、ミャンマーの元軍事政権に比べれば、透明性が高い。

 

【考慮点】

1.プノンペンが都市化している(統計上は170万人)といっても、バンコクの1500万人、ホーチミンの890万人に比べると、人口は少ない。

(出展:http://www.demographia.com/db-worldua.pdf

2.1.とも関係するが、カンボジアのGDPは1.5兆円(日本の500分の一)。ベトナムの12~13兆円に比べると、かなり小さい。

3.          中間層が育つには、あと数年はかかる。中長期的展望および資金的余裕が必要。

 

おまけ;

ここ1年で数回訪カンボジアした中で見えた成功事例

焼肉レストラン、ガーデンホテル、会計事務所(カンボジア税務は月次報告)、人材派遣などなど。

皆さん、それぞれに工夫されています。