今週の一冊『あなたの仕事は「誰を」幸せにするか?—社会を良くする唯一の方法は「ビジネス」である』

医療法人社団 北原国際病院の理事長、北原氏の著作です。

氏の提言は、「医療を日本最大の輸出産業にする」。

「つんどく」になって机の上で眠っていた本の一冊ですが、
カンボジア訪問の際、北原氏の実践されている救命救急センターの方とご縁をいただいたことから、
あらためて読みはじめました。
医療の世界に疎い私でも一気に読み終えることができるほど、
わかりやすく、かつ、その提言も納得できるものでした。

仕事上、医療法人の立ち上げなどのお手伝いをさせていただく機会はあるものの、
医療の世界は複雑でよくわからないというのが正直な印象でしたが、
この本で日本の医療が制度疲労をおこしていることがよくわかりました。
統計によると、2030年には医療・福祉分野での就業者数が、
製造業を抑えて最大になるとのこと。
人口減少が明らかな状況で、誰がその担い手になるかという問題意識にとどまらず、
「基幹産業」として医療・福祉分野を輸出産業するという氏の提言は、
時代の先の先を見据えています。
最後に、
副題でもある「社会を良くする唯一の方法はビジネスである」の根幹です。

『 経済とは、「経世済民(けいさいさいみん)」。
-世をおさめ、民をすくうこと-
つまり経済とは、商売の言葉であるより先に、
社会のあり方を問う言葉であり、
人々の幸福を問う言葉なのです     』