今週の一冊 「自助論 」(Self-Help) サミュエル スマイルズ (著), 竹内 均 (翻訳)
福沢諭吉の「学問のすすめ」と並ぶ、明治時代の大ベストセラーです。
当時世界一栄えていたイギリスに、政府留学生として派遣された中村正直が、
イギリス繁栄の根幹に流れる思想として紹介したのが本書です。
有名な「天は自ら助くる者を助く」は、この本の序文の格言です。
内容は、現代のビジネス書、自己啓発書としても十分通じます。
100年以上、世界中で読み継がれているのも納得です。
この本の翻訳が出版された9年後、日本は大政奉還、翌年に明治元年を迎えます。
明治初期に100万部のベストセラーです。
当時の人口が、約3300万人ですから、日本人全体に、
本書の精神が共有されていたといっても過言ではないと思います。
当時の日本人が何を目指していたのかに思いを馳せると、
胸が熱くなります。
もっと、はやく出会いたかった本です。
本書を日本に紹介した中村正直訳でも、読んでみたい一冊です。
(中村正直訳)